育菌と菌活の基本

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育菌や菌活を行う上で大切なことは、微生物について適切な知識を身につけることと、「市販のルール」を知り疑問を持つことから始まります。

「市販のルール」って何?という人も多いでしょうが、簡単にいうと、商品化する際の国が決めた安全基準というルールを知ることです。それでは具体的に解説していきます(「市販のルール」に関してはまた別の記事で!)。

「微生物」ってなに?

「微生物」と言うのは、分類学上の表現ではありません。顕微鏡を使えば見ることができ、肉眼では見えない「生物」の総称として「微生物」と言う表現が一般的には使われています。

このブログでも、そのようなくくりで「微生物」という用語を使っています。

また、この「微生物」には、細菌、放線菌、藍藻(らんそう)、カビ、酵母、微小藻類(びしょうそうるい)古細菌などが含まれます。

「ウィルス」を厳密に言うと細胞構造を持たないので「生物」には含まれないのですが、ヒトや動物などの細胞の機能を利用して増殖する上に「顕微鏡を使えば見ることができ、肉眼では見えない」という特徴が共通するので、このブログでは「微生物」として表現することがあります。

微生物の種類は今のところ17万種類が知られていますが、研究者の間では、未知の微生物を含めると、この10倍から100倍はいると言われています。

では「菌」と名の付く(日常語ではなく、分類学上)「菌類」の数はと言うと、既に研究対象になっているのが約8,000属8万種で日本では13,000種が知られています。ただ、やはり菌類においても推定現存種は150万種に達すると言われています。

「属」と言うのは、生物学や分類学上の「階級」を表す用語で、階級的には大きなくくりから「帝」「ドメイン」「界」「群(ウィルスのみ)」「門」「群(一部のウィルスのみ)」「網」「団」「区」「目」「科」「族(植物の場合は「連」)」「属」「節(植物のみ)」「列、系(植物のみ)」「種」「株」となります。

「生物学上」や「分類学上」と、難しい話をしたとしても(研究者の方々には失礼に当たりますが…)微生物にしても菌類にしても、知られている数と予測される数の開きを見ても「微生物に関して、ほとんど何もわかっていない」と言えるかもしれません。

また、インフルエンザ・ウィルスの「変異」は、みなさんご存知の通りですが、菌類やウィルスの「変異条件」や「変異ルール」にも、わからないことが多いため100倍もの開きが出ても仕方がなく、この辺りの難しい話や研究は、専門家にお任せしたいと、私は考えています。

菌活や育菌は、難しいことを考える必要はありません(ですが…)

「菌活習慣はじめませんか!」というテーマで、本ブログをスタートさせ、この記事の冒頭で「育菌や菌活を行う上で大切なことは、微生物について適切な知識を身につけること」と、お伝えしましたが、実は菌活習慣を始めるにしても育菌を始めるにしても、難しいことを勉強する必要はそれほどありません。なぜかと言うと…

わからないことが、あまりにも多い微生物や菌類の研究ですが、私はそんな中でも、既に一般にも知られるほど、研究が進んでいる微生物や菌類に着目した菌活や育菌で、充分な対応ができると考えているからです。

その理由は、これだけ「分からないこと」も「数」も多く、大きさも肉眼では見えないほど小さい微生物の世界には、2種類の微生物しか存在しないと考えることができるからです。

ひとつは「研究しやすく」「ヒトへの影響も大きい」微生物(「既知微生物・既知菌類」と、このブログでは呼ぶことにします)。もうひとつは「分からないことが多いく、発見されていない」微生物(「未知微生物・未知菌類」)です。

この2種類がいると言うことは、後者は、それほど、ヒトに対する影響がなく、ヒトの健康などに影響する微生物(前者)に対する影響も小さいと考えることができるので、難しいことは考えずに、「分かっていること」「既に実用化されていること」を参考に菌活や行く菌を始めれば良いと考えているわけです。

もちろん「難病」と呼ばれる、未だ原因も治療法も発見されていない病気や症状に、(後者)未知微生物や未知菌類が影響している可能性を消すことができないのは難しいところです。

ただ、大前提として、微生物に関しては「分かっていないことも多い」「見つかっていないものも多い」と知り、既出の情報と接することが大切だと思います。

例えば、この記事はとても面白く、菌活仲間の中では、ある種有名な話ですので参考にどうぞ→「光岡知足インタビュー②

生活と健康に関連する代表的な「菌」

ヒトの細胞1個につき、細菌や菌類の細胞は9個もあります。そして、人それぞれで保有している微生物の種類は細かく分けると「異なる部分」のほうが多いのです。

人それぞれ、異なる微生物を宿していたとしても、その人たちの身体の中や皮膚の上での働きは、同じような働きをしていると言うのも、微生物の面白いところです。

加齢や生活習慣によっても変化するので、分からないことが多いわけなのです。

例えば、私の腸でAという微生物が果たしている役割を、あなたの腸ではBという微生物が担っているといった感じです。

特に腸内細菌は、あなたが食べたもので、その構成比を変えるため人それぞれ、ヒトの遺伝子だけでは分解、消化、吸収できない食べ物を微生物が分解しエサとして活動し子孫を残しています。

よく「ヒトは〇〇を消化できない」「ヒトの身体は〇〇を分解できない」または、「吸収できない」という記述を見かけますが、そんな「〇〇」の中には、微生物が分解しエサとして活動を活発化させたり、変異させたりする原因になっている「〇〇」も存在しているので、注意が必要です。

例を挙げれば「人工甘味料」などですね!

菌類を大別すると「3種類」

ヒトの健康に影響を与える微生物の代表例は、このブログでも頻繁に記述しますが3種類です。「有益菌(または、有用菌)」「有害菌」「日和見菌」が、この3つで、「有益菌(または、有用菌)」の代表格は、乳酸菌や酵母菌です。乳酸菌には「ビフィズス菌」や「ラクトバチルス菌」などがありますが、炭水化物を消費して「乳酸」を作り、腸内を「酸性」に保ちます。

腸内を酸性に保つことで、酸性を嫌う病原菌の侵入を防いでいるわけですね!

「有害菌」の代表格はウェルシュ菌です。有害菌はタンパク質を分解して、アンモニアなどの毒素や腐敗物質を作り出します。

「日和見菌」と言う用語は、主に腸内細菌叢のバランスを語るときに用いられて、善玉菌か悪玉菌にそのバランスが傾いたときに、その働きを加勢すると言われていますが、このブログでは、もう少し広い意味で使っています。

例えば、このブログでは有害菌のイメージが強い「大腸菌」を「日和見菌」として記述することがあります。その理由は、「大腸菌」自体は有害ではないからです。

大腸菌の普段の活動は、タンパク質を分解しビタミンを作って、身体の中に侵入してきた菌を攻撃しています。ただ、体調が弱っているときなどには、感染症の橋渡しをすることがありますし「病原性大腸菌O-157」など、大腸菌の変異によって病原性を発揮する「大腸菌〇〇」になるので、有害菌のイメージが残っているようです。

腸内でもお肌でも同じで、室内でも、これから天日干しする洗濯物でも、また、排水管の中でも微生物は付着し菌の勢力争いが起こるので、多種多様な微生物をそれぞれに宿して、バランスを「有益菌(または、有用菌)」優位に保つことができれば、健康被害や環境被害は避けられ改善できると考えるのが、育菌や菌活習慣の基本的な考え方になります。

有害菌を防ぎ日和見菌を悪性変異させない菌活

微生物はいつも勢力争いをしています。ひとつひとつの微生物が持つ寿命は短いですが、その勢力圏内にある環境やエサを使って、進化したり変異しながら繁殖します。

これは、有益菌(または、有用菌)でも有害菌でも日和見菌でも同じです。

仲の良い共生できる菌同士は、互いに作用しながら、それぞれ繁殖し活動を活発にしますので、それぞれのエリアでの菌の多様性が求められるわけです。

育菌や菌活の基本は、有害菌の活動を鈍らせ、日和見菌には、有益な働きをする程度の繁殖にとどまっていただき、有益菌(または、有用菌)の活動を常に活発に保つと言うことになります。

その中でも、特に注目したいのが、乳酸菌の中でも、誰もが知る「ビフィズス菌」です。

ビフィズス菌ブドウ糖を分解して乳酸や酢酸を作り、その環境を「酸性」に保ちます。その結果、アルカリ性を好む「病原菌」を寄せ付けなくなります。

次に、有害菌はタンパク質を分解する過程でアンモニアや硫化水素などの腐敗物質を作るのですが、ビフィズス菌は、この「腐敗」の進行を抑制する働きがあります。

有害菌と呼ばれる菌たちもタンパク質を分解するのに一役かってくれているので、「菌種の多様化」が大切なんですね!

また、ビフィズス菌自体が侵入してきた菌やウィルスに攻撃を仕掛け、増殖を抑えたり死滅させたりもします。腸内では特に免疫力の向上に役立つこともあると言われています。

体内と、その他の微生物が活動できる環境の違いは、常時、微生物が増殖・活動に必要なエサに恵まれている(体内)か、そうでないかの違いくらいです。

細菌は、単細胞ですので、複雑な環境変化には対応できません。そのため、寿命が短いわけですが、その反面「単細胞」ですから、進化や変異もめまぐるしいスピードで起こります。

カビは多細胞です。ややこしいですよね(汗)カビは「糸状菌」と書かれるのに細菌じゃないって…と、悩んでも、あまり前に進みませんので、難しい話はスッ飛ばしています。)

ですから、結局は有害菌の増殖を防ぐために、有害菌のエサをたち、日和見菌には「良い感じ」で棲み着いてもらいながら、悪性変異や増殖を起こさせず、有益菌(または、有用菌)の勢力拡大に力を貸し、活動を活発化させ繁殖さるのが、育菌であり、菌活の基本になると言うわけです。

家事菌活の決め手は「カビ菌」との対峙

体内と室内の微生物環境で、もっとも大きな違いを挙げるとすれば、それは「カビ菌」の存在です。カビ菌は専門的には「糸状菌」と言います。

代表的なものには「コウジカビ(アスペルギルス)」「アオカビ」「クロカビ」「ススカビ」「アカカビ」などがあります。「コウジカビ」の仲間には、近年料理なんかでも人気の「麹」(正確には「ニホンコウジカビ」または、「アスペルギルスオリゼー」)などがあり、アオカビは抗生物質の「ペニシリン」が取り出されることでも有名ですよね。

カビや微生物が好む環境は、ご存知の通り「水気が多く」「外気温度の影響で低音になりやすいところ」また「空気がよどむところ(通気性が悪いところ)」や「汚れが溜まりやすい箇所」などが挙げられます。

「汚れが溜まりやすい箇所」には、カビのエサも溜まりやすいので、繁殖が盛んになるようです。

具体的に言うと「水回り」の他に衣類や寝具、書籍やダンボール、靴や鞄、クッションやソファーに学習椅子。この他、絵画や仏像なども微生物やカビが発育する環境に含まれます。

特に「加湿器」は、その製品タイプによっては、タンク内の水が菌で汚染され、菌が繁殖した加湿用水を部屋中にばらまいていることになるので、注意が必要です。

カビのほとんどは「有機物」をエサとしますので、天然物はすべてカビのエサになります。そのほか、ビニールクロスや塗料、石膏ボードや塗り壁もカビの生活環境として最適なエサです。

特に生活圏内の「カビ」と言えば「お風呂場」ですが、ヒトの体から出る「垢」や「フケ」もカビのエサになりますし、石鹸カスもカビのエサになります。

カビの最適な発育温度と、人が最適に暮らせる温度もほとんど同じなので、人が暮らせば否が応でもカビのエサが出るので、うまく対処する必要があります。

カビの胞子は空気中に飛び交っていますので、お風呂場や水回りなど、カビが目で見てわかるくらい繁殖してしまっていたら、その胞子を吸い込むことで起こってしまう鼻炎や喘息などへの注意が必要です。

お風呂用カビ洗剤などを使って、カビを除去消毒する際には、このカビ除去洗剤に含まれる塩素などを吸い込まないのはもちろん、肌への付着も防げるよう完全防備で行ってください。

ただ、この「お風呂場用カビ除去洗剤」を使ったところで、カビの生息環境を一旦リセットしただけですので、次の対策が必要になります。

それが「お風呂場菌活」「キッチン菌活」「脱衣所菌活」「洗濯槽菌活」などになります。

ご存知の方も多く、効果は弱いとの批判の声も聞く「乳酸菌配合」のカビ取り剤がありますが、カビを取り除く力は、その他の酸性洗剤(使用する際は吸引や肌の付着による健康被害に気をつけましょう!)より弱くても、乳酸菌がカビ取り剤に使われると言うことは、乳酸菌はカビに対する抵抗力を持っていると考えることができます。

カビ除去用洗剤を使って、一旦そのエリアの微生物環境にリセットをかけたら、カビ菌が付着する前に、乳酸菌などを含む「有用微生物群」を噴霧し、人の手で、お風呂場やカビが生えやすい場所の「菌環境勢力図」を作ってやれば良いのでは?と、考えるのが菌活です。

ただ、カビが生えやすいところは、カビのエサが豊富ですし、有用微生物群優勢の菌環境を作っても、有用微生物群のエサが足りなくなっては、勢力争いが「カビ」に傾いてしまいます。そのため「菌活」は「習慣」として身につけることが大切だと考えています。

今回の記事では「有益菌」の代表格としてビフィズス菌を取り上げましたが、この「有用性微生物群」には、乳酸菌の他に、酵母菌や光合成細菌などが含まれます。

乳酸菌を放射能汚染した玄米に噴霧すると放射線量が低下したなどの記事もありますので、乳酸菌を噴霧する家庭内育菌には、かなり期待できると私は感じています。

私自身も、お風呂場の壁などに有用微生物群を噴霧する菌活を始めて、まだ間もないので効果のほどをお伝えできる資料はありませんが、このブログを通じて菌活の効果をご紹介できればと考えています。

有用微生物群とは
有用微生物群とは、「共生菌」と呼ばれることもある、ヒトに有益な作用をもたらす複数の細菌だけを抽出培養して生み出されたものです。
代表的なものにはEM菌とR菌(アール菌)とYM菌の3種類が有名です。EM菌関連商品は多数販売されていますが、私が愛用している有用微生物群は、EM菌ではありません。
By |2019-01-25T09:11:07+09:008月 25日, 2018|育菌|

この記事を書いた人:

楽々菌活ブログ管理人松村工(まつむら たくみ)普段は出版社を経営しホームページの作成や集客、販促のお手伝いをしている。健康関連産業に長く関わることで、腸内環境や代謝、住環境に関する知見を広め、「家事」が消毒や殺菌に偏っていることに疑問を感じ、本ブログでの情報発信を始める。 2018年より「家事菌活」をテーマにセミナーも開催している。